ポリマークレイってなんでしょう?
まず、土粘土のようにもともと地球上に存在していた粘土ではありません。
1930年代にドイツで考え出され、製造されたのが最初です。
ポリマークレイはPVC(塩化ビニル樹脂)で作られた樹脂の粘土です。
平たく言いますと皆さんがご存知のプラスチックの仲間です。
可塑剤(高分子化合物に添加して加工性を良くする物質)に顔料を混ぜたものです。
ただ、その最初はクラフトや手づくりの目的のために開発されたのではなく、
工業的な用途のために研究、開発されたのです。
しかし残念なことに、その用途には使えないことがわかり、何年もの間、工場の棚に置かれたままでした。
ある日、その工場を訪ねた人がそれを見つけ、粘土の塊らしいと思い、面白半分にちょっと成形をして、焼いてみたのです。
それがポリフォーム社で作られたポリマークレイの誕生だったのです。(1960年代)
その後1967年ごろまでは、本当に小規模に製造され、細々と売られていました。
セールスといっても、街角の出店とか、小さな店でのデモやトレードショーなどに出展しながら、何とか消費者の手に渡すことに懸命でした。
ポリマークレイの魅力をわかってもらうためには、手にとって試してもらう他になかったからです。
ほとんどの粘土は成形をしているうちに、手の熱や、部屋の温度に影響され乾いてきてしまい、時間をかけて作ることに大変な工夫が必要です。
また陶芸粘土や銀粘土は焼くことによって、そのサイズが縮みます。
紙粘土やパン粘土は成形は簡単ですが、水に弱く細かな細工はできませんし、時間の経過により変色してしまいます。
ポリマークレイはこれらの粘土の欠点をすべてクリアしている画期的な新しい時代の粘土です。
針金のように細く、紙のように薄くでき、オーブンで焼いたものにはサンドがけ、穴あけ、磨き、ペインティングなど自由自在です。
色も絵の具のように混ぜてあらゆる色を出すことが可能です。
このようなことをゆっくり確実に消費者に伝える努力をしたのです。
このセールスは大成功でした!
まず、スカルピーが発売になり、次にスーパースカルピー、その次に色数が多くなったスカルピー3が発売されました。
さらに、数年間のテストや実験が重ねられ、ポリマークレイアーティストたちの意見や提案が取り入れられ、誕生したのがプレモ!です。
そのデビューは1998年のHIAショーでした。
この発色の良い32色を持つ優れものは、たちまちポリマークレイの世界に新しい旋風を巻き起こしました。
今までのクレイの限界を超えるものが作られるようになりました。
単なる粘土細工を超え、ジュエリーや身につける装身具、現代アートの作品にまで創作の世界が広がったのです。
そして、更なる研究と開発はとどまるところを知りません!
次なる新商品は、焼成しても弾力性のあるベイク&ベンド、焼成すると消しゴムになるイレーサークレイなどと、ポリマークレイの創造力は限りなく続きます。
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